Cardiopet® proBNP 検査

犬と猫の心臓バイオマーカー

 

犬や猫の心疾患は一般的にみられますが、診断が難しいこともあります。犬の心疾患のリスクは年とともに劇的に上昇します。若い犬の場合心臓病を持っている割合は最大で15%ですが、年を取った犬ではこの割合が60%以上にまで上昇します。


特に猫の心疾患を診断するのは困難です。猫はあるとしてもわずかな臨床症状しか出さず、胸部の聴診では心疾患の猫の30%が正常であるといわれています。


「犬や猫の心疾患は、画像診断だけだと説明が難しいな・・・」とお考えなら、CardiopetⓇ proBNP 検査で重症度を数値で飼い主さんに説明してみませんか。 

 

また、試薬の改良により専用採血管の必要もなくなり、ますますご利用しやすくなりました。

すぐに使える結果
● 早期発見が難しい猫の心疾患での有用性も確認されています。
● 定量的な結果が重症度を判定する補助になります。
● 特に猫の場合、早期発見・早期治療に繋がります。
● ペットオーナーへ説明しやすい数値結果です。

低侵襲
● 必要なのは簡単な採血だけ。 専用の採血管の必要がなくなり、更に便利にご利用いただけるようになりました。EDTA血漿または血清をご用意ください。

Cardiopet® proBNP Test

Cardiopet proBNP®の仕組み

Cardiopet proBNP®検査では、循環血中のNT-proBNP濃度を測定します。BNP(B型ナトリウム利尿ペプチド)は、心室壁の伸展や心不全時の容量負荷の増大に伴い、主に心筋から放出されるホルモンのひとつで、レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系や交感神経系を抑制することで、心臓への負荷を軽減する働きを持ちます。


BNPはプロホルモンとして血中に放出され、放出されるとただちに活性のあるBNPと活性のないN末端であるNT-proBNPに切断されます。NT-proBNPは生理的作用はありませんが、BNPより半減期が長いため、測定に適しています。

Cardiopet proBNP®の利用例

心疾患と呼吸器疾患との識別(犬1・猫2

無症候の心疾患の検出(猫3/4

心疾患の症状のある動物の評価(犬1・猫2

心不全のある動物の評価(犬1・猫2

 

猫の心疾患

猫の心疾患は実際の罹患率より低く報告されている可能性があります。米国では、健康にみえる猫のうち16%が心筋症をもっていた一方、肥大型心筋症をもつ猫の約3割にしか雑音が聴取されなかったという調査結果の報告もあります。2 また犬に比較して、猫の心疾患における画像検査の感度・特異性はあまり高いとはいえず、早期診断が難しいのが現状です。


Cardiopet proBNP®はこのような猫の早期の心疾患の診断における有用性が指摘されています。

「血漿NT-proBNP濃度は無症候性の心筋症に罹患した猫と正常な猫を鑑別し、心臓超音波検査によるいくつかの重症度のマーカー(LVWd、LA/Ao比、LVs、トロポニン-I 、FSとの相関が認められた」5

 

※下記「参考基準値および解釈」をご参照ください
注釈番号:下記「参考文献」をご参照ください

 

Cardiopet proBNP®の参考基準値および解釈

犬の参考基準値

<900pmol/L心筋への負荷や伸展が増大している可能性は低いと考えられます。現時点では臨床的に有意な心疾患の可能性は低いと考えられます。注1
900~1800pmol/L心筋への負荷や伸展の増大が認められ、現時点で臨床的に有意な心疾患の可能性が高いと考えられます。臨床症状(呼吸器症状、運動不耐性など)が見られる場合は、それが心疾患によるものか、それ以外の原因によるものかを鑑別することは困難です。さらに詳細な追加検査を行うことが推奨されます。注2
>1800pmol/L心筋への負荷や伸展の増大が認められ、現時点で臨床的に有意な心疾患の可能性が高いと考えられます。臨床症状(呼吸器症状、運動不耐性)が見られる場合は心不全が原因である可能性が高いと考えられます。詳細な追加検査を行うことが強く推奨されます。

注1: ドーベルマンでNT-proBNPが ≥735pmol/L の場合には、無症候の拡張型心筋症のリスクの上昇が認められます。
注2: 僧帽弁疾患がある体重20Kg未満の犬でNT-proBNPが >1500pmol/L の場合には、今後12か月以内に心不全を発症するリスクが上昇しています。

※診断および治療方針の決定は、その他の検査結果も含めて総合的に行ってください。
※肺高血圧症や腎疾患等の併発疾患の影響によりNT-proBNP濃度が上昇することがあります。
※室温で保存された血清検体においてはNT-proBNP濃度が低下することがあります。

 

猫の参考基準値

<100pmol/L心筋への負荷や伸展が増大している可能性は低いと考えられます。現時点では臨床的に有意な心疾患の可能性は低いと考えられます。
100~270pmol/L心筋への負荷や伸展が増大している可能性が高いと考えられます。心エコー検査が推奨されます。呼吸器症状があっても、それらが心不全に伴って起こっている可能性は低く、その他の原因の鑑別のために他の診断方法をご検討ください。
>270pmol/L心筋への負荷や伸展が増大している可能性が高いと考えられます。呼吸器症状がある場合、それらが心不全に伴って起こっている可能性が高く、更に詳細な検査が推奨されます。

※甲状腺機能亢進症、高血圧または重度の高窒素血症の猫の場合はNT-proBNPが上昇することがあるため、更に詳細な検査が推奨されます。
※診断および治療方針の決定は、その他の検査結果も含めて総合的に行ってください。
※室温で保存された血清検体においてはNT-proBNP濃度が低下することがあります。

 

参考文献:

1. Oyama MA, Fox PR, Rush JE, Rozanski EA, Lesser M.Clinical utility of serum N-terminal pro-B-type natriuretic peptide concentration for identifying cardiac disease dogs and assessing disease severity.JAVMA. 2008; 232(10): 1496.1503.
2. Paige CF, Abbott JA, Pyle RL, Elvinger F. Prevalence of cardiomyopathy in apparently healthy cats.JAVMA 2009; 234(11): 1398
3. Connolly DJ, Soares Magalhaes RJ, Syme HM, Boswood A, Fuentes VL, Chu L, Metcalf M.Circulating natriuretic peptides in cats with heart disease.J Vet Intern Med. 2008; 22(3): 96.105
4. Fox PR, Oyama MA, MacDonald K, Reynolds CA,Assessment of NTproBNP concentration in asymptomatic cats with cardiomyopathy[ACVIM Abstract 191].J Vet Intern Med. 2009; 22(3): 759.
5. Fox PR, J.E. Rush, C.A. Reynolds, et.al. Multicenter Evaluation of Plasma N-Terminal Probrain Natriuretic Peptide(NT-proBNP) as a Biochemical Screening Test for Asymptomatic (occult) Cardiomyopathy in Cats. J Vet Intern Med. 2011; 25: 1010-1016
6. Newman S, Steiner J, Woosley K, et al. Localization of pancreatic inflammation and necrosis in dogs. J Vet Intern Med. 2004; 18(4); 488-493
7. De Cook HE, Forman MA, Farver TB, Marks SL. Prevalence and histopathologic characteristics of pancreatitis in cats. Vet Pathol. 2007; 44(1): 39-49

検査依頼方法
犬・猫必要検体量保存方法所要日数
血清またはEDTA血漿0.3ml
冷蔵または冷凍(専用採血管不要)1~3日